企業から受託したアンケート、モニター、在宅ワーク、市場調査などの仕事を、電子メールで次々と会員に配信し、会員は協力した分だけ「ちゃっかり」謝礼を受け取れるおトクな会員ネットワークが、(株)ガジェットが提供するサービス、「ちゃっかりザウルス」なのじゃ。この「ちゃっかりザウルス」を語るには、ご主人様のしげ太郎様に登場してもらわねばなるまい。
そこにNECさんから「バイタリティ溢れる」という表現がぴったりの社員が2人おられたんや。それが北村さんと高田さんやった。彼らはこれから立ち上げるパソコン通信会員を対象にした事業、「ちゃっかりザウルス」のコンセプトを熱っぽく語っとったんや。その当時ちょっとばかりNiftyやPC-VANなどでパソコン通信をかじっとった僕は、「これは面白そうや、せやけどみんな分かるかな」という気分で聞いとった。なにしろインターネットという言葉はまだ全然知られてへん時代やし、パソコン通信も「オタクっぽい」などと思われとった時のことや。すぐに多くの会員が集まってくれるか?調査を依頼する企業が増えてくるか?正直ちょっと心配やった。
ある月の交流会の冒頭で、「今日はめでたく社長になった方がいらっしゃいます!」と発表されたんや。何とそれはNECの社内起業家制度で、独立第1号となって新会社を設立した北村さんのことやった。ここまでこの事業に賭けてはるんや、彼の熱意は大企業NECまで動かせるんや!社会人の経験も浅い僕はただただ尊敬の目で見るしかなかった。
とにもかくにも僕は会員として参加してみることにしたんや。まずはPC-VAN経由でちゃっかりザウルスに入会してみた。なるほど、アンケートや調査の依頼がちょくちょくメールで送られてくる。謝礼は設問数や手間の多さに比例して、1回数百円程度。調査依頼の時はもっと高い。協力する回数が多いほど、メールが送られてくる回数も多くなる。月会費は500円かかるけど、こまめに協力しておれば、まず損をすることはない。僕はちょっとしたお小遣い稼ぎの気分でアンケートに協力しとった。
「この度、ちゃっかりザウルスの事業を終了することになりました。」
...事業開始から2年弱、確実にコンピューターで通信を行う層が増えていた。もう少し続けることができれば明るい見通しが出来たんやろうが、親会社のNECさんの起業家制度の条件上、会社清算せんとあかんようになったらしい。北村さんと高田さんの男泣きしている姿が目に浮かぶようやった。僕もやりきれん気持ちで、会費引き落としに使っていたちゃっかりザウルスのクレジットカードにハサミを入れたんや(現在は普通の自動引き落とし)。
それから何カ月か立ったあと、Niftyにアクセスしてメニューを見ると「ちゃっかりザウルス」の名があるではないか!僕は早速北村さんと高田さん宛にメールを送り、再入会を申し込んだ。聞けば、新たに北村さんはオーナー社長となって(株)ガジェットを設立して事業再開したそうや。時代はインターネットのブームも到来し、まさに追い風。メールの内容からアンケートや調査依頼企業の数も以前より充実していることが伺える。今度は絶対にちゃっかりネットワークを作り上げることに協力しよう!そんな気持ちでアンケートに答えるだけでなく、今度は実際にフィールドワークをする「店舗調査隊」も買って出た。
実は電脳乞食を創り出したのも、そんな企業と個人をつなぐ、おトクネットワークを少しでも自分で作り上げたいと思ったからなんや。そういう意味ではちゃっかりザウルスは電脳乞食のルーツやな。北村さんと高田さんに会ってなかったら、多分電脳乞食はこの世におらんかったやろう。東京と大阪であまり会うことはないが、これからもずっと協力し続けて行こうと思うんや...(思い出話終わり)